Baseline Water Stress

定義

\(BWS\)指標は、利用可能な水資源量に対する人間活動に伴う水需要の比率として評価されます。環境への影響は、水不足の閾値を設定することで暗黙的に考慮されています。AQUEDUCTやWater Risk Filterなどの水リスク評価プラットフォームでも広く使用されている水ストレス指標です。

解釈

この指標の値が高いほど、地表水や地下水が枯渇したり、利用者間の競合が増加したり、それに伴い環境と生態系の機能に影響を及ぼしたりするリスクが高まります。

計算方法

時間的集計: 1980年から2019年の長期年平均

空間的集計: サブ流域

\(BWS\)指標の計算方法は、AQUEDUCTのバージョンごとに更新されており、ここでは最新のバージョン4.0の定義に従っています。


地域\(b\)の水ストレスは次のように計算されます。

\begin{align} \ & BWS_{m,b}=\min(1,\max(0,\frac{\overline{WW}_{m,b}}{\overline{WA}_{m,b}})) \\ \ & BWS_b[\%]=\frac{\sum_{m=1}^{12}WW_{m,b}BWS_{m,b}}{WW_b}\times 100 \\ \end{align}

ここで、\(\overline{WW}_{m,b}\)は\(m\)月の人間活動に伴う水需要の長期平均であり、\(\overline{WA}_{m,b}\)は\(m\)月の地域\(b\)の利用可能な水資源量の長期平均です。\(\overline{WA}_{m,b}\)は再生可能な淡水資源と淡水化施設によって生産された淡水を含みます。
Water Security Compass 央のBWS指標は、H08モデルの後処理された出力を使用して計算されています。

参考文献

Kuzma S. et al., 2023. “Aqueduct 4.0: Updated decision-relevant global water risk indicators.” Technical note. Washington, DC: World Resources Institute. DOI